瀬尾 和紀(フルート)

Kazunori SEO (Flute)

 世界中に多数いるフルーティストの中でも、この類まれなる超絶技巧を駆使し多彩な音楽性を持つことで一際注目を集める瀬尾和紀は、その活動内容からも非常に稀有なフルーティストの一人といえるだろう。

 1998年、パリ国立高等音楽院を首席で卒業すると同時に「ニールセン国際音楽コンクール」、「ジャン=ピエール・ランパル国際フルート・コンクール」、「ジャン・フランセ国際音楽コンクール」、「ジュネーヴ国際音楽コンクール」などで立て続けに優勝・入賞を果たした瀬尾和紀は、ただちにソリストとして世界各地より脚光を浴びた。現在に至るまでフランスと日本を行き来しながらヨーロッパ諸国やアメリカ、カナダ、チリ、また中国、台湾、韓国などのアジア諸国において演奏活動を行い、フィンランドのクフモ室内楽音楽祭をはじめフランス国営放送局モンペリエ音楽祭、済州島音楽祭、北九州国際音楽祭や世界各地のフルート・コンヴェンション、並びに国際コンクールの審査員として招かれている。
 日本においては1999年に東京都交響楽団とイベールのフルート協奏曲を共演してデビュー以来、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、札幌交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団、九州交響楽団など各地のオーケストラからソリストとして招かれ、バロックから現代の協奏曲に至るまで幅広いレパートリーで共演を重ねている。

 レコーディング活動も精力的に行っており、2001年にNAXOSレーベルからハンガリーのニコラウス・エステルハージ・シンフォニアと共演した≪ホフマン/フルート協奏曲集≫(世界初録音)がワールドリリースされCDデビューを果す。その後もエラート・レーベルより「~シランクス~フランス・フルート近代作品集」(2001年)、ワーナー・ミュージック・ジャパンよりパトリック・ガロワ指揮、シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラと共演した「超絶技巧フルート協奏曲集」(2004年)などがリリースされ、いずれも音楽関係誌上などで絶賛を博している。
 2013年より再びNAXOSレーベルに復帰し、ピアニストの上野真氏とのコラボレーションを中心に、モシェレス、ツェルニー、ベートーヴェンなどの作品集に取り組む他、W.F.バッハからピアソラなど、幅広いレパートリーにも着手。並行して自らも「レ・メネストレル」と「ヴィルトゥス・クラシックス」の2つのCDレーベルを立ち上げ、20世紀ピアノの巨匠ヴァルター・ギーゼキングが作曲した知られざる室内楽作品を発掘し録音するなど、フルートのレパートリーに留まらず独自のスタンスでプロデュースを手がけている。

 近年はフルーティストとしての活動以外に指揮活動や共演ピアニストとしての活動の幅を広げ、また編曲にも盛んに取り組んでいる。2011年に名古屋・三井住友海上しらかわホールで行ったプロジェクトではベートーヴェンの「英雄」を6人で、またマーラーの交響曲第9番を12人の演奏者によるオリジナル編曲版として仕立て上げ、その斬新な編曲と企画、演奏に音楽界の話題を呼んだ。
 また2009年からは、山口県にある秋吉台国際芸術村にて「秋吉台ミュージック・アカデミー」を立ち上げるなど後進の育成活動にも携わる。

 これまでに京都芸術祭賞(1999年)、北九州市民文化賞(2000年)、福岡県文化賞(2004年)をそれぞれ受賞。

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